中国勢の動き
中国勢の動き
中国勢において節水への意識を高めるキャンペーンが行われる旨“喧伝”される展開。
具体的には5月9日(北京時間)に行われた同キャンペーンの開会式において、上海勢の節水への取り組みが称賛された由:
―ポイントは米欧勢の統治エリートらが今次金融メルトダウンを通じて画策しているのは事態の収拾ではなく、混乱の維持と拡大を通じた世界史の刷新である可能性が濃厚である点。
生命活動に必須である「水」の取り扱いについてもその一環として処断されることをまずは認識すべき。
―この文脈で重要なのは上海勢における「水効率化」に深く関与しているのが世界第1位の水メジャーであるフランス勢のヴェオリア・エンヴァイロメント社であり、リアルタイムで4470キロメートルに及ぶ水道管網を監視している点。
去る1980年代以降の世界的な水道事業民営化をけん引してきたヴェオリア・エンヴァイロメント社及び世界第2位の水メジャーであるスエズ社が本社を構えるフランス勢のパリ市においては過去25年間で水道料金が265パーセントもの値上がりとなったことを受け、去る2000年以降には水道事業の再公営化が進んでいる点がカギ。
欧州勢において水道事業民営化が「失敗」であったと評価される中、我が国においては去る2018年に改正PFI法及び改正水道法を成立させてヴェオリア・ジャパン社をはじめとする民間企業の水道事業参入を認める体制を整えつつあり、中国勢における「節水」キャンペーンが行われる中、かえって我が国をはじめとする東アジア勢を新たな市場とする水道事業民営化が進められることになるか否か、あるいは中国勢を筆頭とした事実上の米欧系“水資源事業主体”の締め出しにもつながる動きが活性化するのかを中心に、引き続き事態の推移を注視すべき展開。